テーパリングがもたらすこと
こんにちは、てつやです。
11月3日にFRBによるテーパリングが決定されましたね。
テーパリングとは新型コロナ対策として景気下支え策として行っていた量的緩和を、段階的に2022年半ばを目途に終了させるという方針です。
本日は、テーパリングが行われると金融市場は今後どうなるのか?
ということについてお伝えしていきます。
そもそも、テーパリングとはどういうことなのか理解できていない方もいらっしゃるかもしれないので、そのあたりから解説しますね。
テーパリングとは?
テーパリングとは中央銀行が量的緩和政策を段階的に縮小していくことを指します。
量的緩和政策とは、金融市場にマネーの量を増やすために銀行などから国債を買い入れる政策です。
各国、金利政策が長引いているため日米欧などの主要中央銀行の主要な金融政策となっています。
FRBは20年3月から大規模な量的緩和にふみきりました。その規模は毎月1200億ドル。
約14兆円という前例のない規模でした。FRBの保有資産は4兆ドルから8.5兆ドルへ。
資産量は米国のGDPの4割にあたる規模に達しました。
それだけ巨額のマネーが市場に流れ込んできたことが直近の米国株高につながっていたのは間違いないです。
テーパリングによってどうなる?
テーパリングが決定したことで、今後は資産供給を段階的に減らしていくことになります。
具体的には、資産買い入れ量を月1200億ドル⇒月1050億ドル⇒月900億ドル・・・
と毎月150億ドルずつ減らしていくことになります。
そのペースで減らしていくことで22年半ばには資産購入量はゼロとなり、量的緩和政策は終了となる目算です。
では、テーパリングによって今後市場にどのような影響がでてくるかについて解説していきます。
これまでの米国株高がけん引してきたマーケット環境はどうなるのでしょうか?
金融市場は今後どうなる?
新型コロナ下にありながらも株式市場が過熱していたのは、量的緩和政策があったからに他なりません。
テーパリングによって、マーケットの方向性が今後どうなるのかは気になるところですよね。
そもそも量的緩和は長期金利を引き下げる効果があるとされます。
例えばリーマンショック後の08年~14年の緩和政策によって長期金利は1%程度下がったと試算されています。
つまりテーパリングによって資産購入を段階的に減らすことによって、今後の米国国債利回りの上昇が予想されるのです。
注意が必要なのは、目下米国のインフレ率が4%を超えていて、FRBが目標とする2%を大きく上回っていることです。
インフレは生活者にとっては深刻な問題でして、物価上昇を抑えるためにとられうる金融政策は利上げということになります。
テーパリングの議論に付随して利上げ時期の観測がここ数カ月FOMCで注目されてきた理由はこのあたりにあるのです。
現在金融市場はFRBが22年後半にゼロ金利を解除するとみており、米国のインフレが収まらなければ、相場は緩和から引き締めに転換せざるを得なくなります。
引き締めはマーケットへの影響が大きいです。
例えば、15年末FRBは利上げしてリーマン以降のゼロ金利を解除しました。
利上げ時期については慎重を期していたはずでしたが、結果は16年1月の「チャイナショック」を引き起こしました。
結局利上げペースを遅らせたり、17年には量的引き締めを開始したりと手を打たざるを得なくなりました。
世界、日本経済の影響は?
直近3年11カ月ぶりの円安水準をつけたドル円。
要因は今後の米国金利上昇予想⇒円売りドル買いの動きが加速したからです。
世界のマネーは相対的に安全で利回りを稼げる国を選定しがちです。
日本は違いますが、世界的に見るとインフレ状態にある国が多いです。
自国通貨安がつづくと輸入価格上昇⇒物価上昇となりドル高を望まないケーズが多いのです。
なので今後は各国利上げに向かうことが予想されます。
対抗的な利上げが繰り広げられると世界の金融環境は引き締められ、経済全体を押し下げる可能性がでてきます。
世界的に見れば政府債務も民間債務も過去最高水準にありまして、金利の上昇には脆弱であることから、相場の下落を念頭にいれて資産運用していくことがもとめられる状況かと思います。
いかがでしたでしょうか?
読んでいただいた方の参考になれば幸いです。